コラム

●八景島のシーパラダイスへ行ってきました。水槽のアクリルガラスが約3pと、大坂は海遊館の10cmには及ばないものの、それなりに楽しめます。でも水族館は、大坂海遊館の勝ち!海遊館は、五階建てのビル全部が一つの水槽になっていますが、シーパラは水槽のある普通の水族館という感じ。でも遊園地と合体しているので、ジェットコースターとか乗り物が多いです。総合遊園地という感じ。海の動物ショーは楽しいです。ゴンドウクジラやオットセイ、白イルカやセイウチなどが曲芸をします。一つでも芸をすると、食べ物を要求するので、動物も結構ガメツイ。それに海水浴場も近くにあって、水着さえ持ってくれば、気軽に泳げます。だけど端を渡って八景島へ渡ると物価が高くなります。ビールなどは600円になりますので、八景島駅のコンビニで買ってから島へ入るといいです。
鯉の餌を持って水族館に入るといいです。出口には、いろいろな魚やカモがいて、餌を貰おうと集まってきます。餌は近くのガチャガチャで売っていますが、量が少ないです。だから事前に直径1cmぐらいの鯉餌を持っていったほうがベスト。ちなみに島根県にも西部に水族館があります。残念ながら行ったことがありません。平田のゴビウスには行ったことあるのですが、宍道湖の魚しかいないので、ちょっと期待はずれかも。
●自分の名前で検索してみました。以前は自分のホームページが真っ先に出てきたのに、今は他人のホームページや書籍案内ページばかりて出てきて、掲示板が引っ掛かったりもする。だから最近は、うちのホームページに質問がこない。
 掲示板では中医学派と経絡学派が、ちょこちょこ喧嘩をしているらしい。私も前にニフティで喧嘩をしてホームページを開いたのだが、一般に留学者は喧嘩をしない。ちょこっと顔出して、これは自分の出る幕はないなと、あまり口を出さずに脱退するだけ。恐らくニフティで喧嘩をしたのは恐らく私ぐらいだろう。もっとも嫁が反論させなかったので、それほど喧嘩にもならなかったが。
 嫁が反論させなかったので喧嘩になったのだが、ふつう中国人や留学生と議論して、楽しいとは思うのだが喧嘩になることはない。話が噛み合っているからだろう。

 経絡派だろうが中医派だろうが、同じ鍼灸なのだから喧嘩しそうにないと素人は思うのだが、喧嘩が絶えない。そのケンカになる原因を調べてみると、ワザワザ喧嘩するような枝葉の方向へ話を持っていっている。
 中国だって流派はたくさんある。十や二十どころじゃない。例えば耳鍼、頭鍼、眼鍼、鼻鍼、面鍼、人中鍼、口鍼、舌鍼と、頭の鍼を挙げただけでも、それだけある。また頭鍼といえども頭鍼と頭皮鍼があり、それにも焦氏や方氏、国際標準化式、朱氏など8種類ぐらいあるのではなかろうか。それを自分の方法が、他の方法より優れていると主張して、他人の方法をけなしあえば喧嘩になるに決まっている。
 また鍼灸学生の質問として『素問』『霊枢』『難経』は読まなくてはならないものでしょうか? との質問があったりする。
 中国の本を読んでみると判るのだが、最近の本、例えば民国以降の本は、まず引用されていない。ほとんどの引用が『素問』には、こうある。『霊枢』に、こうある。『難経』に、こうある。と古書を引用している。また『鍼灸』と名の付く本では、『甲乙経』『資生経』『聚英』『大成』『銅人』ぐらいで、清代以降の『逢源』などは、ほとんど引用されない。
 日本の掲示板の議論を見てみると、長期的に検証されてもコンセンサスを得られてもいない最近の本ばかりを取り上げ、その本に、こう書いてあると主張する。

 さしずめ中国なら、頭鍼と耳鍼が、互いの優劣をめぐって喧嘩しているようなもの。
 実は私の喧嘩も、そんなところからだった。十年前に出た本を使って「その本に載ってないから、あなたの言うことはデタラメだ」と言われた。こちらが別の本を挙げて反証しても「私は、ほかの本は読まない」と言われる。それで嫁に議論を止められてしまった。

 このホームページは、治療方法の判らない学生が読むためのコーナーなので、他のホームページにあった質問に勝手に答えます。

●鍼灸院には、なぜ膝痛や坐骨神経痛、五十肩のような疾患しか来ないか?
○答えて曰く:まず鍼灸院に膝痛や坐骨神経痛、五十肩のような疾患しか来ない理由ですが、それは鍼灸の信用がないからです。つまり治す鍼灸院と治らない鍼灸院の格差が大きいからです。
 膝痛であれ、五十肩であれ、坐骨神経痛であれ、最初から鍼灸院へ行く人は、ほとんどいません。今日の新患さんだって腰痛で来たのですが、先に病院へ行って、注射したり湿布貼ったりしています。この段階で入院させられてしまうと、鍼灸院には来ません。
 内科疾患、例えば盲腸や胃軸捻などで患者さんが病院へ行った場合、まず入院させますから鍼灸院へ来れないのです。どういった患者さんが鍼灸に来られるかというと、入院せず、病院へ行っても良くならず、同僚に「病院へ行っているけれど一向に治らない。どうしたら良いものか」と相談して、「それなら鍼灸院を紹介する」と来られるわけです。
 例えば急性黄疸型肝炎などは鍼灸の適応症ですが、日本の鍼灸院で治療することは、まず考えられません。中国では病院へ行く段階までは同じですが、病院のほうで鍼治療をしてしまいます。それが中国では内科疾患も治療するのに、日本では内科疾患の患者がない理由です。まあ、膵炎や前立腺炎のように、病院で何ケ月も治療して治らない場合、鍼灸治療へ行く患者さんもあります。つまり他人に相談する余裕のある病気。これが第一の理由です。だから内科疾患でも、中国のように病院が鍼灸に回してくれれば、日本の内科疾患も多くなるでしょうが、現状ではありえませんね。
 だから病院より鍼灸の信用がうわまれば、病気になったら病院へ行くより先に鍼灸院へ行き、それで治らなかったら病院へ行く患者さんが増え、内科疾患も多くなります。だから信用の問題です。誰でも確実な方へ先に行きますから、ダメなら次の手を考える。そうしたものです。だから内科疾患は鍼灸院へ来ない。
 次に膝痛や坐骨神経痛、五十肩のような疾患は、鍼灸院へ行くということ。
 こうした疾患でも例によって、最初に患者さんは病院へ行きます。ところが良くならない。すると周囲の人が見ています。内科疾患で血圧が高くても周りの同僚には気付かれませんが、膝が痛かったり坐骨神経痛、腰痛では歩き方がおかしくなります。そこで周囲が「おまえ歩き方がおかしいぞ。どうしたのだ」と聞いてきます。そこで患者さんは「実は腰痛で病院に通っているんだが、一向に治らない」と返します。そして同僚が「それなら良いところを知っている。一発で治してくれるぞ。オレも、そこで一発で治った。だまされたと思って行ってみろ」と勧める。そこで膝痛、坐骨神経痛、腰痛が鍼灸院で多いのです。膝痛は、女に多くて男には少ないのです。男は同僚が多いので、腰痛や坐骨神経痛で紹介されますが、女の場合は交際が少ないので、いよいよ膝が変形してから紹介されてきます。五十肩は、見た目では判らず、手を動かすときに痛そうな様子なので、周囲に気付かれにくく、鍼灸院でも数が少なくなります。
 つまり周囲に目立って、しかも病院で治らない疾患が鍼灸院へ来る。だから膝痛や坐骨神経痛、腰痛が鍼灸院で最も多い。患者の多い疾患を治さないと鍼灸自体の信用がなくなるため、北京堂では治療ノウハウを持たない学生諸君に五疾患について治療法を公開しているのです。治療しても治らなければ、それに対する一般民衆の信用がなくなりますよ。
 鍼灸で五疾患だけでもキチッと治せば、患者さんも信用するようになり、病気になったら、まず鍼灸院となりますから、内科疾患も多くなるはずです。だから五大疾患だけは、3回ぐらいで効果を上げましょう。患者さんも3回で効果なければ信用しませんから。仏の顔も三度まで。三回までが鍼灸師に与えられたチャンスなのです。

●経絡派と中医派は、なぜ喧嘩するのですか?
○答えて曰く:中国では、いろいろな方法があるのに喧嘩せず、日本では流派が少ないのに喧嘩する。これは非常に不思議な現象です。喧嘩する理由は根本でなく、枝葉のことについて争っているのです。
 経絡が最初に詳しく記載されている書物は『霊枢』です。だから経絡派も中医派も『霊枢』に書かれた経脈について意見を戦わせれば、互いに有益です。『難経』でも『難経』に書かれた内容について意見を戦わせればよいのです。
 ところが争っている内容は、それを十年前とか二十年前とかに書かれた、歴史の検証を受けていない一個人の著した書物について喧嘩しているのです。そうした本は最近出版された本なので、歴史的にも検証されておらず、読んでない人も多いのです。例えば、中国で最近の鍼灸書物ならば、仮に教科書だったら、上海中医葯大学の教科書を使っている学校が多いので、それについての議論なら成り立ちます。しかし教科書から外れた書物ならば、それが鍼灸書といえども読んでない人が多いので、それについての議論は成り立ちません。例えば私が『医学原始』について語り出したとしたら、何百年も前の医学書で結構面白いのですが、北京中医の留学生でさえムッとするでしょう。つまり相手が読んでない本を使って論議するからです。
 中国留学の連中は、翻訳本など読まず、原書で読みます。理由は安いから、それと誤訳があるのを恐れて。だから日本語で書かれた本は、たとえ翻訳本であっても読んでないことが多く、ましてや日本のオリジナルである本間祥白、沢田健、代田文誌など読んでいません。それに、そうした書物を買わなくても、中国には安い本がたくさんありますから。
 フォーラムとか掲示板を見ても、現代書物についてしか話題にされていません。
 これでは我々みたく古典を読む人が入り込む余地なしです。伝統医学としての鍼灸ならば、少なくとも五百年前の『鍼灸大成』までの本しか共通のコンセンサスはありません。ということで勢い『素問』『霊枢』『難経』についてしか論議しないことになります。それは、この三冊ならば、鍼灸師ならば最低でも読んでいるだろうという了解のもとに論議が成り立つのです。

 我々が互いに最近読んだ本について論議したり、自分の思い込みについて論議すれば、それは昨日見た夢について互いに話しているに等しく、見た夢が違うのだから話が噛み合わず喧嘩になるに決まっています。それに古いものが受け継がれなければ伝統ではない。

 鍼灸は伝統医学なのですから、唐の時代にはあった『素問』『霊枢』『難経』ならばコンセンサスがありますが、『十四経発揮』と『鍼灸甲乙経』では経絡が違いますが、『十四経発揮』の方が時代が新しいので負けます。『十四経発揮』ぐらいなら許せますが、まだ生きている人や、この前死んだホヤホヤの人の考えについて述べられても、そりゃあ新しい物療だからコンセンサスが得られない。だから喧嘩になるのも当り前です。
 私の翻訳した本でさえ主観が入ります。翻訳で主観が入るのだから、解説本に主観が入るのは当り前で、オリジナルと翻訳書が違う以上に、原書と解説した人の解釈が離れるのは当り前です。こうして同じ本から出発した内容でも、一方の人は左に、一方の人は右に解釈すれば、原点が同じでも正反対になってしまいます。
 例えば私の『鍼灸学釈難』、あれは子午流注を非常に否定的に翻訳しました。私が子午流注を信用してないからです。しかし子午流注を信用する人が『鍼灸学釈難』を翻訳したとしたら、かなり違う内容になったかもしれません。本当は、どのように書かれていたかは、原文を読まねば判りません。
 だから経絡派の人であれ、中医派の人であれ、現在に解釈された書物を鵜呑みにしないで、原文にどう書かれているかを自分の眼で確かめて、自分の意見として解釈するようにすれば議論できます。有名人が解釈した内容だけを信じ込み、オリジナルを読まなければ喧嘩になります。中医派の人も、辨証法の人を中医派と呼ぶようですが、同じ辨証でも北京と上海の処方穴は違います。また辨証は六部定位より細分化できますので、辨証のほうが理論的で、六部定位は情報も少なくて大ざっぱだと思えるでしょう。
 しかし辨証も経絡派も、元は同じ鍼灸であり、兄弟のようなものなので、それを生んだ母である『素問』『霊枢』『難経』を引用して議論すれば、共感するぶんでも喧嘩することはありません。辨証であろうが経絡派であろうが伝統医学として鍼灸をしている以上、『素問』『霊枢』『難経』は共通の土台といえます。
 ところが鍼灸師でも『素問』『霊枢』『難経』は読まなくてよい。最近書かれた本や、最近の流派の言葉だけ引用していればよいでは、それは伝統医学ではなく、たかだか百年の歴史しかないカイロプラティックと同じことになってしまいます。最初から議論する人が、私はホットパックのように物理療法として鍼灸を使っているだけだと言えば喧嘩になりませんが、伝統医学だと言われるから議論になり、「それは『素問』『霊枢』『難経』のどこに書いてあるのですか?」と質問が返ったときに、そんなもの読んでいないものだから答えようもなく喧嘩になってしまうのです。

 だから学生の皆さん、『素問』『霊枢』『難経』は必ず読んでおかねばならない本なのです。その解説書ではありません。原書ですよ。そして伝統医学の鍼灸を知らない患者さんには西洋医学で説明し、鍼灸師どうしが議論するときは『素問』『霊枢』『難経』の句を引用して論議しましょう。くれぐれも私の本とか、その他の400年以内に書かれた検証されていない本について議論してはなりませんよ。喧嘩になりますし、議論しても何も得られませんよ。なにせ鍼灸は伝統医学ですから。他人の治療は「鍼の鉄人」など検証する番組もないので、どの方法が一番効果があるのか判明していませんから。

 鍼灸の治療は、多種類あって当然です。長野式も、その一つ。北京堂式も、その一つ。そのオリジナルから亜流が生まれ、細分化して行きます。どの治療法を使うかは、学生が決めることで、長野式や北京堂式、沢田流など、自分で試してみて、どれを使うか自分で決めればよいのです。試してみなければ判りませんから。そして、どの流派の鍼灸院へ行くかは、患者さんが決定することです。患者さんは、知り合いに勧められた鍼灸院へ行きますから。
 私のように鍼灸掲示板に紛れ込んだ人間は、そこで読んだこともないような本が列挙され、理解不能なことを言って罵りあっているのでは、なんだか占いの流派が我田引水しているようなものに映ります。それが一般の患者さんなら、いかがでしょう。だから三書から離れた議論をしないで、三書を引用して議論しましょう。でないと議論になりません。

 と、質問がほんとんど来なくなってしまったので、他の掲示板の質問に勝手に答えてしまいました。

           北京堂針灸ホーム