古フランス語文献

9世紀から12世紀

公文書

ストラスブールの誓約書」(842年2月14日)
ニタールの「ルイ敬虔王の息子たちの歴史」という年代記に、ラテン語にはさまれる形で引用されています。

聖人伝

Buona pulcella fut Eulalia.
Bel avret corps, bellezour anima.
・・・
< La Cantilène de Sainte Eulalie >

ウーラリーは心清んだ少女だった
汚れのない身体と
それにもまして美しい心を持っていた
・・・

「聖女ウーラリーの続誦」(881年)
4世紀の聖女の殉教をうたった29行のフランス語最古の詩で、ストラスブールの誓約よりも自由な表現形式で書かれています。ワロン方言。
「ヨナについての説教」(1000年頃)
聖書講和のための覚え書きで、ピカルディ・ワロン方言
「クレルモンのキリスト受難伝」(10世紀末)
作者のオイル語と改作者のオック語を混在させた文体で書かれています。
「聖レジェ伝」(10世紀後半)
オイル語とオック語両方の特徴が見られます。
「聖アレクシス伝」(1040年?)
4世紀におけるローマの一苦行僧の伝記で、ラテン語のテキストから作られました。10音節625行から成り、フランス語による文学的価値のある最古の作品といわれます。シリア起源。
「ボエース伝」(11世紀初期)
南仏方言で書かれています。
「聖女フォワ伝」(11世紀半ば
脚韻によるロマンス語最古のテキストとされ、南仏方言で書かれています。

武勲詩

「ロランの歌」(1098年から1100年頃)
スペインへ異教徒サラセン人の討伐(ロンスヴォの戦い)におもむいたシャルルマーニュと、忠臣ロランの武勲をたたえた現存最古の叙事詩。10音節4002行から成り、ノルマン語の特徴を持っています。テュロルド作?
吟遊詩人(12世紀後半が最盛期)
トゥルバドゥール(南仏吟遊詩人)とトゥルベール(北仏吟遊詩人)が有名です。宮廷風抒情詩が発展するきっかけとなりました。

宮廷文学

騎士道物語(主流はブルターニュ系物語)

12世紀

「アーサー王伝説作品群」
詩人、クレチアン・ドゥ・トロワによるもので、古典主義の傑作です。「ランスロ」他。
「トリスタン物語群」
トリスタンとイゾルデの恋物語で、ベルールやトマのものが有名です。
「レ」
最初の女性詩人、マリー・ド・フランスによる短詩。

13世紀

「聖杯物語群」
クレチアン・ドゥ・トロワの「ペルスヴァル」が先駆となりました。
「オーカッサンとニコレット」
作者不詳の恋物語で、歌物語というジャンルの現存する唯一のものです。
「ヴェルジ公の奥方」
韻文の騎士道物語。中世で最も美しい恋愛小説といわれます。

風刺写実小説

12世紀末

「狐物語」
作者不詳。動物の姿を借りて人間社会を映しだしています。
「ファブリオ」
小話群で、民間伝承から出たものが多くあります。

教化文学

13世紀前半

「ばら物語」
ギョーム・ドゥ・ロリスによって1225年〜40年の間に書かれました。擬人法を用いた中世寓意文学の最高傑作とされます。未完だったのを、後半ジャン・クロピネルが1269〜78の間に完成させました。8音節22000行から成ります。

演劇・宗教劇・俗劇

13世紀から盛んになる

「アダム劇」
預言者たちや、楽園追放とアベルの殺害を題材にしています。
「聖ニコラ劇」
ジャン・ボデル作の宗教的奇跡劇で1200年に初演されました。
「葉陰劇」
アダン・ドゥ・ラ・アル作で、世俗劇の先駆となりました。

年代記

聖王ルイについての書(1309)
この時期最大の歴史家、ジョワンヴィル著。
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